解離性障害 (新現代精神医学文庫)樋口 輝彦
新興医学出版社 刊
発売日 2006-09
破局的な体験を乗り越えるための防衛機序 2007-07-26
解離性障害についての知識はあふれており、被暗示性の高さが解離性障害の素因にあげることができるならば、この溢れるばかりの情報がますますこの障害の増加を後押しさせることになる。
しかし、正確な知識の伝達は、疾患の概念や用語の定義が流動的であって統一されがたいことによって、しばしば困難を生じる。
本書はそのあたりの歴史もふまえつつ、健忘、遁走、離人症や解離性同一性障害など疾病概念ごとに章を設けている。臨床家にとって有益な資料であろう。勉強になった。
病的な解離は非病的な解離と連続していると考えられている。もともと、解離は抑圧などと並び、個人が抱えがたい体験を乗り越えるための防衛機制である。
したがって、自分自身は決して純粋無垢で単純素朴で完全無欠な一枚岩ではなく、自身にとっても自分の中に自明でないことがある。
その当り前のこと、それが当り前なことが、案外、一般には忘れられがちのような気がした。
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